単語や年代など暗記ものを忘れてしまわないための勉強法
プロが教える超勉強法
暗記にはコツがあります。丸暗記しても定着せずすぐに忘れてしまうものです。
短期記憶から長期記憶に昇格させるには、反復あるのみ。
覚えた後も記憶から消されないように、定期的に復習をしましょう。
◎反復することでしか記憶は強化されない
好き嫌いに関係なく、勉強するうえで暗記を避けて通ることはできません。
国語の漢字や熟語、ことわざ、社会の年代や理科の用語などは、覚えるよりほかにありません。
ただ、やみくもに暗記すれば良いというものでもないのが難しいところ。
試験の前の一夜漬けをしたことがある人ならば、思い当たると思います。
とにかく「丸暗記で詰め込めばいいだろう」と一度に覚えようとしても、試験が終わってしまえばすぐに記憶から消え去ってしまいます。せっかく努力したのに、もったいないですよね。
忘れるのは人間の脳の仕様です。生きるために必要のない情報は、記憶の優先順位が下がります。
何も手立てを打たなければ、自然と忘れるようにできているのです。
しかし、脳の仕組みを逆手にとれば、効率的に記憶することも可能です。
脳は送られてくる全ての情報を記憶に留めるわけではありません。
海馬(かいば)という脳の器官が重要だと判断した情報だけが、大脳皮質と呼ばれる場所に送られ長期的な記憶として保存されます。
海馬(かいば)が重要と判断するのは、食べ物や危険に関する情報です。
ただ、そうではない情報も何度も繰り返し送ることで、必要な情報と認識するのです。
何度繰り返しても忘れてしまうと、「自分には才能がないのか」と落ち込むことがあるかもしれませんが、そもそも、脳の造りが覚えないようにできているのです。悩む暇があったら、自分の脳に情報を送りましょう。
インプットの回数を増やして、短期記憶から長期記憶に昇格させてあげるイメージで取り組むことが大切です。
さらに、記憶は定期的にメンテナンスしてあげることでより強固なものになります。
日常的に使われない情報は、次々と記憶から消されていきます。
せっかく頑張って覚えた単語も、放っておけば要らない情報と判断されてしまうのです。
記憶した直後、翌日、一週間後、1カ月後などとタイミングを決めて、記憶の定着を図りましょう。
2回目以降は最初ほど時間もかからないはずです。
◎覚える必要のないものをカット
暗記は毛嫌いされがちです。それは、覚える量が多すぎるのも原因の一つです。
誤解を恐れずに言えば、全てを覚える必要はないのです。
一冊の単語の参考書をマスターするとします。
やってしまいがちなのが、頭から順に全部のページに記載されている単語を暗記しようとすること。
熱意は立派ですが、効率の面からみると褒められたものではありません。
参考書で取り上げられている単語の中には、周知のものもあるはずです。
まずは、ざっと目を通すつもりで流し読みします。この時に、覚えている単語は線で消しておきます。
覚える必要のない既知の単語を除外することで、暗記対象となる量は減っています。
残ったものは「知らない単語」「知っているが覚えていない単語」のみとなります。
それぞれに、✕・△の印を付けておきましょう。
2巡目以降で覚えたものは線で消し、どんどん減らしていきます。
何巡も繰り返すことで、残ったものを確実に記憶に定着させるのです。
暗記を効率よく行うためには、何をおいても覚えたものを省いていくことです。
物理的に作業量が減るだけではなく、達成感もあるのでモチベーションも上がります。
◎問題集はできない問題を見つける
受験勉強で問題集を繰り返し解くというのは、王道です。
とは言え、使い方を間違えている人がしばしば見受けられます。
真面目に取り組んでいるのに、成績が伸びないなら勉強法自体を見直す必要があります。
先ほどの単語の暗記とも共通しますが、問題集は自分の弱い部分を見付けるためのツールとして使って下さい。
難なく解ける問題に時間をかけて、正解したと喜んでいても得られるのはその場の満足感だけです。
できた問題に満足して、間違えたり分からなかったりしたところは飛ばしておしまい。これでは、いくらやっても進歩はしません。
当たり前のようですが、意外とできていない人が多いのです。
とばした部分は無視して、一冊やり切ったことで自己満足してしまいがちなのです。
自分ができないこと、苦手な部分に向き合うのは気が進まないものです。
解説をざっと眺めても理解できないからと、見なかったことにしてしまいたくなります。
できなかった部分は、今後取り組むべき課題です。これらを一つひとつ克服していくことで、確実にレベルアップします。
出来ない問題をピックアップすることが大切なのですが、基準をはっきりさせましょう。
答えを見て分かったつもりになったり、掲載されているヒントを見たりして解答した場合は「できない問題」です。
また、4択問題などで、山勘で正解したものも「できない問題」です。
このように、確信をもって答えたもの以外は、「できない問題」に区分します。
「できない問題」を絞り込んだら、模範解答を見ながらどの段階までなら理解できるのかを探っていきます。
最初の考え方からつまずいているのか、途中までは解けているのか。
自分の理解の妨げになっているところが明らかになれば、解決もたやすくなります。
「できない問題」は、調べるなり、先生に質問するなりして克服しましょう。