10歳までに右脳の脳力を伸ばす事が重要

子どもに適した学習の基本的な考え方は、経験画像の処理能力を鍛える事にあります。
経験画像の処理能力という表現は、「右脳」の脳力に置き換えてもいいでしょう。
子どもに必要な学力向上は右脳の脳力を鍛える事であり、そのために経験画像の処理能力を高める事にあります。
しかしながら、この右脳の脳力については、脳科学的にみても一〇歳前後までにしか伸ばす事が出来ないと証明されています。
経験画像の処理能力を高める学習法は、子どもの脳力を向上させるために大きな効果を発揮しますが、
10歳を超えてくると、徐々にその効果は低下していきます。
 経験画像の処理能力を高めるうえで、効果的なのが「手を動かす事」、「イメージ力を鍛える事」、「会話する事」の三つです。
私は、この三つの事を子どもに教えるのに一番いい学習法は何かという事を、ずっと考えてきました。
そして、長年の学習塾運営の経験で、「読み・書き・そろばん」こそが、子どもの右脳の脳力を伸ばすのに最適な学習法であるという持論に達しました。
そこで私は、その「読み・書き・そろばん」を一貫して教えられる「平成の寺子屋」を開設しようと思い立ったのです。
 すでに触れましたように、「読み・書き・そろばん」はすべての学習のベースになる基礎脳力です。
そろばんは、パソコンや計算機の発展により、大人になると実際に使う事は少なくなるかもしれません。
 しかし、そろばんは「手を動かす」作業が多く、盤を動かして数字を認識するため「イメージ力を鍛える事」にも通じます。
そろばんは、子どもの右脳の脳力を鍛えるのに効果的な勉強法なのです。

 これらの「読み・書き・そろばん」を寺子屋方式で一緒に学ぶ事により、先生とだけではなく、子ども同士でも自然に「会話する事」が習慣付きます。
今後必要になる基礎学力を付けつつ、右脳の脳力を一〇歳まで最大限に伸ばしていく、
それに最も適した環境こそ「平成の寺子屋」であると自負しています。
 私が幼児期からの教育に力を入れるのは、上記の通り、その時期にしかつかない脳力があるというのが一番大きいですが、それ以外にも理由があります。
それは、学年が上がるにつれてやる事が増えてくるという事です。
基礎脳力以外にも学ばなければならない事が増えてくるため、脳力的な余裕がなくなりますし、
スポーツや習い事を始める人もいるでしょうから、時間的な余裕もなくなります。
このように色々な制限が出てくるため、本当の意味での脳力開発が難しくなってきます。
そのため、幼児期や小学校低学年のうちに基礎脳力を付けた方が良いのです。