合格点から逆算する受験計画の立て方

無駄な努力をしないで志望大学合格を勝ち取る秘訣

受験勉強をしていくうえで偏差値や模試の結果だけを気にしていませんか。

志望校の合格最低点を指針にすることで、現状との差が目に見えるようになります。

配点の高い科目に比重を置き、効率的に勉強を進めましょう。

 

◎合格最低点を目指す方法ならワンランク上の大学でも合格可能

受験勉強をするなかで、いったいどの程度まで理解度を上げればよいのか。何か目安となるものがなければ迷いが生じます。

同じ大学を志望する学生を見渡しても、自分たちよりも実力のある人はたくさんいるでしょう。

それらの人達に、負けじと努力を重ねるのは素晴らしいことです。

満点を目標にして闘志を燃やすのも、毎日の学習のモチベーションにつながるのならば悪いことではありません。

ただ、忘れてはならないのは、満点だろうが合格ラインぎりぎりだろうが、入ってしまえば同じだということです。

満点やトップ入学などすれば、入学当初は話題になるかもしれませんがそれだけのこと。本質は大学で何を学ぶかです。

それならば、最低限の労力で無駄を省いて勉強するやり方が有効ですよね。

合格最低ラインを狙う勉強法のメリットは、苦手科目をそのままにしておいても得意科目で点を稼げば合格が見えてくるということです。

 

◎苦手科目の克服より得科目を伸ばしてカバーする

みなさんも経験があると思います。

苦手科目を克服しようとすると、基礎からさかのぼってやり直さなければならないので時間がかかります。

思うように問題も解けないので、嫌々ながらやっているのが正直なところでしょう。

同じ時間を使うのであれば、得意な科目にまわせばもっと効率よく成績が伸ばせます。

気持ち的にも好きな教科ならば結果も出やすく、やる気もアップするので一石二鳥です。

さらに、確実に受かりそうな大学を狙うとなると、自分の実力相応の学校しか候補に挙がってきません。

しかし、合格最低点に届けばいいとなると、とたんに今までは夢のまた夢だった難関校も手が届くようになります。

苦手教科を得意なレベルにまで持ってくるのは至難の業です。

代わりに、得意科目でカバーすれば良いのです。大学入試では、どの教科で何点であろうが関係ありません。

合否に関わってくるのはあくまで合計点です。

となれば、時間をかけた分成果が上がりやすい科目に力を入れるやり方が得策、ということに納得いただけるのではないでしょうか。

 

◎合格点を獲得するための点数配分を決め勉強時間の割合を決める

ここで、合格最低点について確認をしておきましょう。

合格最低点とは、入試で学生が大学から要求される目標点のことです。

志望大学の過去の合格最低点を調べて、目指す点数を設定します。

大きく変動することはありませんが、毎年若干点数は前後するので1割増しくらいで考えておきましょう。

目標点数は高くしたくなりますが、意味もなく理想だけ高くしても勉強に無駄が多くなってしまいます。

全体の目標点数を割り出したら、今度は各教科の目標点数に落とし込んでいきます。

志望校の得点配分や個々の得意科目・不得意科目しだいで、それぞれの科目の目標とする点数は変わってきます。

 

◎原則として英語と数学の目標点は高めに設定しておく

苦手科目を伸ばすよりも得意科目に時間をかけろと言いましたが、原則として英語や数学の目標点は他の科目よりも高めに設定するようにしてください。この2つは捨ててはいけません。

大半の大学では、入試配点で英語と数学は高く設定されているからです。

英語は正しい学習を積み重ねさえすれば、個人の能力にさほど影響されず一定のレベルまで得点を上げられます。

年度ごとの点数にばらつきがある国語よりも、安定して得点できるという性質も備えています。

合格最低ラインが6割だとして、全ての科目で6割にするのは現実的ではありません。

科目の難易度や安定性のバラつきもありますし、受験生自身の得手不得手も関わってきます。

そこで、科目ごとにノルマを割り振ります。次項で見ていきましょう。

 

◎勝負科目、抑え科目、しのぎ科目に分類

今からやりこんで高得点を狙えそうな「勝負科目」、頑張れば最低限は取れそうな「抑え科目」、どうにも伸びそうにない「しのぎ科目」に分類します。

伸びそうにない科目も、勉強部不足でできないのか十分やったのに分からないのかで扱いが変わってきます。

受験後期でやっても結果が出ないものは、潔く捨てる勇気も必要です。

各教科の目標点を設定したならば、今の学力と比較して差を埋めるだけです。

具体的な目標が数値化されて明確になることで、対策が立てやすくなります。

志望校の出題の傾向を見据えて、足りない教科で伸びしろのある部分に特化してやりこむだけです。

偏差値や模試の合格判定だけを目安にしていると、志望校への合格までどのくらいの隔たりがあるのかが掴みにくいのです。

最低合格点を目安とすることで、配点が少ない科目ならば時間をかけてまで苦手科目にこだわる必要はないと割り切ることができます。

志望校で毎年のように出題され、伸びしろがある箇所ならば重点的にやらなくてはと判断も可能です。

ちなみに、合格点が高いほど難しい試験かというと必ずしもそうではありません。

合格点が高く設定されている場合は、比較的簡単な問題で問題の量が多い傾向があります。

時間内での情報処理能力とケアレスミスのない集中力をはかろうとしているのです。

合格最低点が低い場合は、自由に解答する記述式の問題になりがちです。思考力や論理的に伝える力を見られています。

志望校にはどのような傾向が見られるかをふまえ、普段の学習で対策を立てましょう。