受験勉強でやってはいけない間違った学習方法

プロが教える超勉強法

家庭学習の定番「漢字の書き取り」「計算ドリル」も機械的に手を動かしているだけでは得るものは少なくなります。

テストの点数に一喜一憂するのも意味がありません。分からない部分を見付けることが重要です。

 

◎漢字の書き取りなど単純なインプットの繰り返しは無駄 

子どもの勉強というと、漢字の書き取りや計算ドリルが真っ先に思い浮かびます。

漢字の書き取りは、国語の基本となるものです。

ひたすら書き続けるだけですから、子どもが一人でできるということも取り組みやすさにつながっています。

毎日のノルマとして、子どもに割り当てている学校や家庭も多くあるでしょう。

でも、テレビを見ながら、遊びながらの「ながら作業」で雑にこなすだけになっていないでしょうか。

頭を使って考えることもせずに、単なる手の運動になっていたら時間の無駄づかいです。

毎日の書き取りで、国語そのものに拒否反応を覚えてしまう子どももいるのです。

努力の割には、漢字テストで満点は取れません。

漢字について言えば、書き方を覚えるよりも読み方を習得する方がはるかに簡単です。

読むだけならば、お子さんの学年以上の漢字も難なくマスターできるでしょう。

読むことさえできれば、学びの対象は一気に広がります。

数学(算数)や理科、社会においても、内容を理解するためには、国語力が何をおいても必要です。

書き取りをないがしろにするわけではないのですが、読みがあっての書き取りです。

限られた時間の振り分け方も、もう一度見直してみましょう。

 

◎計算ドリルはスピードだけを追い求めるのは危険

同じように、計算ドリルを日課としているかもしれません。

これも数学(算数)の基本と認識されています。

本当に毎日たくさんやり続けて、かけた労力の分だけの効果は得られるのでしょうか。

計算ドリルを繰り返すことで、テクニックは覚えられるでしょう。

計算の速度も速くはなります。確かに、必要な力ではあります。

しかし、もっと基本となるのは、初めて見る問題にどんな式や考え方を使えば良いのか判断できる力です。

機械的に手を動かしているだけでは、判断力や思考力は磨かれません。

スピードばかりを追い求めることも弊害があります。

早く計算できていても、考えることは置いてきぼりにされています。

じっくりと自ら考える能力を育てなければならない時期に、スピードの訓練ばかりを繰り返すのは少々危険です。

小学校の低学年のうちは、学習習慣を付けるという意味でも書き取りや計算ドリルをやらせがちです。

一生懸命取り組んで、やればやっただけの「作業」としての達成感も得やすいものです。

親が家でみてあげることもできるので、広く浸透しています。

しかし、表面的な学習しかしていなければ学年が上がれば落ちこぼれます。

学年が上がるほどに、思考力が求められる問題が増えていくからです。

小手先の作業しかしてこなかった子どもは、なすすべもありません。

 

◎問題集の正解、不正解に一喜一憂するサイコロ学習法も無駄

伸びない子の学習法にはもう1つ特徴があります。

問題を解いて、答えが合っていたか間違えたかという結果にしか関心がないのです。

いくら問題の数をこなしたとしても、サイコロを振って大きな目が出れば喜び1が出れば落胆するかのように一喜一憂。

これでは労力に対して得るものはごくわずかでしかありません。

間違えた答えを消しゴムで消して、正しい答えを書くことにばかり気がいっている子がいますよね。

勉強の過程よりも、きれいに「〇」が並んだノートや、問題集に仕上がったという結果の方を大事にしているのです。

「✕」が付いている状態が恥ずかしく、居心地の悪い状態だと感じているからです。

間違った勉強法をしてしまう子どもは「どうして間違えたのか」「どうしたら間違えなくなるか」ということに目が向かないのです。

間違えた問題をピックアップして解き直すよりも、間違えたことをなかったことにしたいという心理が働いているのです。

できない部分が見つかって弱点をつぶすチャンスなのに、分かったつもりでお茶を濁してしまいます。

テストの結果ばかりが気になってしまう人はこのタイプです。

「前回の試験から何点上がった、下がった…」。試験の結果は、長い受験勉強の中のある一時の達成度を測っているだけのものです。

それ以上でもそれ以下でもありません。大切なことはできなかったことをできるようにすることです。

 

◎間違えた箇所はもう一度復習して理解を得るところ

正しい勉強法を実行していれば、点数自体はそれほど気にならなくなってきます。

間違えた部分は、もう一度復習をして理解を深める箇所。それだけのことです。

反対に正解した部分も喜んで終わりにはしません。なぜできたのかということにまで言及しています。

どうしてその正解にたどり着けたのか、理論立てて説明できれば記憶はより強固なものとなります。

分からないこと、間違ったことは、適切に対処しなければまた間違えます。

理解できていない箇所の見ないふりをしていけば、学習が進むほどに分からない部分が雪だるま式に増えていきます。

できないことや分からない部分が多くなれば、子どもも自信がなくなっていきます。

そうなれば、勉強そのものが嫌いになり苦手意識が先立つようになるのも時間の問題です。

なるべく早い時期に、誤った学習法は改善しましょう。